株式市場は非常に効率的なマーケットで、瞬時に株は情報を反映し売り買いされるので、そう簡単に短期売買で儲けることはできません。この理論を「効率的市場仮説」と呼びます。
経済学的には似たような概念を「完全競争」と呼んでいます。無数の参加者がいて、市場への参入障壁も撤退障壁もなく、価格が形成される市場のことです。労働市場では、コンビニやファストフードでの最低賃金でのバイトを考えれば分かりやすいと思います。
みなさんはそんな労働市場で自分を売りたくないですよね?
誰でもできる仕事は最低賃金に収れんしがちです。仕事をサボっている労働者をクビにしても、いくらでも代替がいるのですから。完全市場では最終的には誰も儲けることはできなくなる、と教えます。
経営学に言うレッドオーシャンに身を投じるのはアホや、ということですね。金融市場もそれと似ています。
この極めて効率的な市場で負けないためには、あるいは勝つためには何をすればいいのでしょうか? そのあたりを今回はご説明します^^
もくじ
モノの価格差はどうしてできる?
金融市場では移動のコストが非常に低いという特徴があります。たとえば旅行などで「人間」が移動する場合、飛行機のチケットを予約し、空港に行って、飛行機に乗り、そして日本からロンドンならほぼ半日(12時間)くらい狭い客室に閉じ込められます。
物流でも同じことです。今はアマゾンでその日のうちに配送、ってサービスもありますが、それでもネットショップでオーダーしても、瞬間的にモノは届きませんし、送料も払わなくてはいけません。一方、デジタル情報の注文は簡単です。パソコンソフトのダウンロードもアマゾンのKindle本の購入も、クリックひとつで完了。待ち時間も送料も不要です。
今日の金融商品も、現物である紙幣や金塊や大豆をトラック輸送するわけではないので簡単です。金融商品自体がパソコンソフトと同じようにデジタル情報になっているので、一瞬で取引が完了します。そんな金融市場は、市場が極めて「効率的」になり、価格の歪みがなく、利ざやを稼げない、といった特徴があります。
たとえば、産地である青森で売られている「リンゴ」が1個100円、同じリンゴが東京で120円で売られていたとします。この場合、青森でリンゴを買って、それを東京で売れば儲かるでしょうか?もし瞬時にリンゴが極めて安いコストで運送できれば儲かりそうですよね。しかしそれは不可能で、この20円の価格差はずっと温存されそうで、理論的にはこの20円の価格差は輸送コストです。
つまり価格の差は、「運送費がかかる」と言う非効率性から生じることになります。
効率的市場仮説とは?
一方、金融市場では、東京市場に上場されているある銘柄とニューヨーク市場に上場されている同じ銘柄は瞬時に同じ値段になります。デジタル情報は国境がなく、その移動コストも限りなく低いからです。
瞬時に情報が株価に反映され、価格に歪みがなくなることをマーケットでは「効率的」と表現します。金融で言う「効率的」とは普通に使う「効率いいよね!」とは若干ニュアンスが異なっています。
そして、「株を発行している企業の業績等の情報は、瞬時に株価に反映されるので、常に株価は公正に市場で評価され、投資家は安くも買えないし、高くも売れない」という理論を「効率的市場仮説」と呼んでいます。この場合、投資家は市場平均を上回る収益を株式投資であげることはできない、というわけです。
「市場は効率的である」というのが、現代金融理論の原理原則になっています。
効率的な市場での儲けは?
もし株式市場が完全に効率的であれば、どのくらい儲けられるものなのでしょうか? また、どうやって儲けたらいいのでしょうか? そして、本当に市場は完全に効率的なのでしょうか?
いろいろ疑問がでてきますよね。
まず、先にもお話したように、完全に効率的な市場では株価が「割安」も「割高」もありません。なので個別株を短期トレーディングで儲けることは不可能です。
この場合、成長する企業の株を買って長期で持てばいいんじゃない? と思うかもしれませんが、効率的な市場では株価はその企業の長期的な成長期待も織り込んでしまうので、その戦略も難しそうです。
結局効率的な市場では、全世界の株を全部いっぺんに買ってしまい、市場全体の経済成長を取るしかないことになります。つまり本サイトでおすすめしているインデックス投資です。
この理論によれば、全世界の株式に投資するETF、具体的には、バンガードトータルワールドストックETF(VT)、iシェアーズ MSCI オールカントリーワールドインデックスETF(ACWI)などがそれに相当します。
株式投資でどのくらい儲けられるものなのか?>
も参考にしてください。
ほんとうに株式市場って効率的なの?
もうひとつの素朴な疑問です。「株式市場って完全に効率的なのか?」
みなさんはどう思いますか? もし完全にこの効率的市場仮説が成立するのであれば、個別株で誰もが長期的に儲けることはできなくなります。もちろん偶然の運はあるので、短期的な大儲けはこの「効率的市場仮説」とは関係ありません。「誰かが必ず宝くじに当たっている」ことと同じですからね。
ポイントは「継続的に長期間儲けることができるのか?」です。
実は、この長期的に儲けている投資家はそれなりにいます。投資の神様として有名な「ウォーレン・バフェット」もその一人ですし、市場平均以上のリターンを上げるアクティブファンドも存在します。
8割から9割のアクティブファンドはインデックスに負けていても、残り1~2割は「勝っている」わけですから。結局、効率的市場仮説に対する結論はこうなります。
「市場はかなり効率的なので、そこから超過リターンを上げることは困難。しかし100%完全に効率的ではないので、大きな儲けを上げる手法もチャンスもあるはず」
結局、安定して株式投資から儲け(リターン)を上げるためには、「効率的市場仮説」を前提にして、インデックス投資をコアにするしかありません。しかし、市場は完全に効率的とは言えず、リンゴのような価格の歪みはあるので、株式投資の勉強をし、経験値を上げていけば、そこから儲けることは可能になるはずです。
このインデックスをコアにして、個別の儲かりそうな金融商品(サテライト銘柄)に投資する「コア・サテライト」投資戦略をおすすめしたいです。
効率的な市場で儲ける方法 まとめ
株式市場は「かなり効率的だか、100%完全に効率的ではない」ので、スキルを磨くことで超過収益を上げ儲けることが可能になります。
この場合、市場インデックスをコアとして保有し、サテライトとして個別の収益を狙う「コア・サテライト戦略」がおすすめです^^
コア銘柄で市場全体のリスクを取り、自分のよく知っている得意分野(サテライト銘柄)で大儲けを狙う戦略です。市場インデックスで安定的に運用する方法は、こちらでお話ししていますので参考にしてください^^
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